よし！ やったる！
妹のダンナと昨年の暮れに上島沖で遊んだ時、艇内で釣果の写真を撮った。ファインダーの視野内に釣果をまとめようとしたが、魚が暴れて視野におさまらない。結局少しだけしか魚の写らぬ貧弱な写真になった。本当は写った写真の外にも魚はいっぱいるのに。で、誤解を招くといけないから写真掲載はしない。
使ったエサは、本マムシと青ゴカイを計六千円。かねがね釣りエサほど高価な食い物はないと思っているが、この日もやはりそう思った。その高価なエサが残り少なくなって、釣った魚の口からエサを引っ張り出し、また針に付けた。そんなエサでも結構釣れる時には釣れるものである。あとになって同行の旦那氏とあの時はいったい何匹釣ったか話し合ったが、今となってはわからない。その時は“ごっつい（たくさん）釣ったなあ”と口アングリで数えるのも面倒だった。カレイだけでもかれこれ三十枚はいたと思うし、三十センチ前後のアイナメも二十ほどいたし、その他ブダイや大アナゴやキスやガシラやあれやこれやで計百は下るまいというのが二人の結論である。
ところで撮った写真に白っぽい変な物が写っていた。これについても二人して考えたがさっぱり解らない。友人に見せたら心霊写真だと言った。魚々が化けて出たのだろうという。そう言えば、そのように見て見えなくもない。なお、この日のトラハゼはひょっとしたら記録物だったかもしれぬ。びっくりお化けのトラハゼだった。
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正月休みに一息ついた忘年会疲れの胃袋が、またぞろ新年会でダウン気味だ。いつまで節操を守れるか定かでないが、今年からは外で飲む時はビール一本程度に止めようと考えている。忘年会の後遺症がこの決心をさせた。二日酔いでクルクル回る天井を見ながら俺も歳を取ったといくじが無くなった。その時一緒に飲んだ友人も、だらしなく酔っ払っう私にだいぶ手こずったらしかった。友人は私と街で別れた後、私を案じて私の女房へ電話したようである。私が今ヘベレケになって家に帰りつつあること、歳のせいか彼（私）の体力低下が心配であること、だから女房たる者はこのダンナを優しく労るべきであること等々を、酔いにまかせてくどくど語って聞かせたらしい。
おかげで翌朝私は女房にこっぴどく叱られた。
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一般的にいって、新年を迎える新鮮な気分というものは、家の掃除が行き届いていることと関係があるようだ。暮れに掃除した電灯の傘とか障子とか高い場所のガラス窓とかが、ここしばらくは、ゆかしくも新しい気分をかもしだす。この結果“よし！今年はやったる”となるわけだ。ところで、私は暮れから正月にかけて休日のほとんどを沖釣りでタラダラ過ごしたから、自艇「はまちどりⅡ」は今最大級に汚れている。着衣は汗臭いし、車は魚の匂いでムンムンだし、顔にパンダみたいなサングラス模様ができている。一方サッパリとして綺麗になったものもある。サイフのなかの小遣いだ。スッカラカンだ。ゼロからのスタート、新鮮な気分これに優るはない。